久しぶりのCold Spring Harbor
Cold Spring Harbor Laboratory (CHSL) で開かれていた "Axon Guidance, Synaptogenesis & Neural Plasticity" というmeetingへ行ってきた。
ここに来るのは個人的な訪問も含めるともう5回目ぐらいになる。
Axon guidanceのmeetingの参加も4年ぶり2回目である。
Cold Spring Harbor Laboratory (CHSL) で開かれていた "Axon Guidance, Synaptogenesis & Neural Plasticity" というmeetingへ行ってきた。
ここに来るのは個人的な訪問も含めるともう5回目ぐらいになる。
Axon guidanceのmeetingの参加も4年ぶり2回目である。
On BC1 RNA and the fragile X mental retardation protein
Claudia Bagni*
Reply to Bagni: On BC1 RNA and the fragile X mental retardation protein
Anna Iacoangeli*, Timofey S. Rozhdestvensky†, Natalia Dolzhanskaya‡, Barthélémy Tournier§, Janin Schütt¶, Jürgen Brosius†, Robert B. Denman‡, Edouard W. Khandjian§, Stefan Kindler¶, and Henri Tiedge*,‖
以前、BC1とFMRPをめぐる論争について書いたが、まだまだ終わっていなかった。
J Neurosci, 28:2753-2765 (2008)
Synaptic Function for the Nogo-66 Receptor NgR1: Regulation of Dendritic Spine Morphology and Activity-Dependent Synaptic Strength
Hakjoo Lee,1,2 * Stephen J. Raiker,1,3 * Karthik Venkatesh,1 Rebecca Geary,1,2 Laurie A. Robak,1,3 Yu Zhang,2,4 Hermes H. Yeh,2 Peter Shrager,4 and Roman J. Giger1,2
Preview
Breaking the Code of Polyadenylation-Induced Translation
Joel D. Richter1,∗
A Combinatorial Code for CPE-Mediated Translational Control
Maria Piqué,1 José Manuel López,1,2 Sylvain Foissac,1 Roderic Guigó,1 and Raúl Méndez1,∗
mRNAのpolyA付加は高度に制御されており、この機構がシナプスにおける局所タンパク質合成にも重要であることが示唆されている。
polyA付加はmRNAの3'末端にあるcytoplasmic polyadenylation element (CPE) とその結合タンパク質であるCPEBにより制御され、CPEBは細胞外刺激によるリン酸化により活性化され、polyA付加を促進することが知られている。
彼らの論文では、このCPE-CPEB系に加えて、Pumilio-binding element (PBE) と結合タンパク質であるPumilio、polyA付加シグナルであるAATAAA (HEX) とその結合タンパク質であるpolyadenylation specificity factor (CPSF) がpolyA付加の制御に重要であることを示した。
特に、CPE、PBE、HEXの相互の位置関係と数がpolyAを付加する程度とタイミングを規定することを見出した。
彼らは、CPE、PBE、HEXの組み合わせを「コード」と呼んでおり、その重要性を強調している。
この間、大学に戻ってすぐにやらなければならなかったのが実験動物取り扱いのための試験。
日本の場合、講習を2時間ぐらい受けて、最後に簡単なテストを受けて終わりだったような気がする。
うちの大学でも似たようなものだったが、今回からweb page上で試験を受けることができるようになった。
わざわざ講習へ行くにいく必要がなくなったのでラッキーと思ったが、大間違いだった。
そのweb siteは "CITI (Collaborative Institutional Training Initiative)" というものなのだが、動物実験に関する注意事項を読んで、その後四択のクイズをする方式になっている。
その問題数が、basic courceで100問近く、mouse, rat courceでそれぞれ20問近くある。
Basic courseは全員がテストを受ける必要があり、僕の場合、マウスとラットを使っているので、全部で130問程度答えなければならない。
しかも、85%以上正解しなければ、今後、動物実験ができなくなってしまう。
というわけで、全部解くのに延べ4時間ぐらいかかってしまった。
こんなのを日本でやると、脱落者続出だと思うが。
Science, 320, pp. 524 - 527 (2008)
Reports
Plastin 3 Is a Protective Modifier of Autosomal Recessive Spinal Muscular Atrophy
Gabriela E. Oprea,1,2,3 Sandra Kröber,1,2 Michelle L. McWhorter,4 Wilfried Rossoll,5 Stefan Müller,3 Michael Krawczak,6 Gary J. Bassell,5 Christine E. Beattie,4 Brunhilde Wirth1,2,3*
前回に続いて、SMAの財団のmeeting report。
この演題もずいぶん注目を浴びた。
SMAの患者さんの家系のうち、同じ親から生まれ、同一の遺伝子型を持つ子供にもかかわらず、
SMAを発症する子供としない子供がいるらしい。
彼らは、SMAの遺伝型にもかかわらずSMAを発症しない子供には、SMNの機能低下を相補する遺伝子が高発現していると考えた。
彼らはSMAを発症するgroupとしないgroupのtranscriptomeを解析し、その結果、発症しない人で発現が3倍以上多い18 transcriptsを同定し、そのうちの一つがactin結合タンパク質であるplastin 3であった。
Preview
Is Good Housekeeping the Key to Motor Neuron Survival?
Kevin Talbot1,∗ and Kay E. Davies1,∗∗
SMN Deficiency Causes Tissue-Specific Perturbations in the Repertoire of snRNAs and Widespread Defects in Splicing
Zhenxi Zhang,1,2 Francesco Lotti,1,2 Kimberly Dittmar,1 Ihab Younis,1 Lili Wan,1 Mumtaz Kasim,1 and Gideon Dreyfuss1,∗
先日、Spinal Muscular Atrophy(SMA、脊髄筋萎縮症)関連の財団のmeetingに行ってきた。
僕はこの財団から助成金をもらっているので、発表する演題はなかったにもかかわらず、出席するのは義務である。
それで、今回のmeetingで一番話題をさらったのがこの論文。
Stem Cell Factor Functions as an Outgrowth-Promoting Factor to Enable Axon Exit from the Midline Intermediate Target
Bryan B. Gore,1,2 Karen G. Wong,1 and Marc Tessier-Lavigne1,∗
Commissural axons neuronのaxon guidanceにはfloor plateに発現するnetrin, slitなどのaxon guidance factorsが重要なことが知られている。
今考えられているモデルは、netrin-1がmidlineへ誘引因子として導き、そのあと、このsignalがoffになり、slitが反発因子として働き、axonがfloor plateから遠ざかるというものである。
彼らは、これらの機構に加えて、Stem Cell Factor (SCF, also known as Steel Factor) がmidlineからのaxon outgrowthに必要なことを示した。
SCFの受容体はtyrosine kinaseのKitだが、Kitはcommissural neuronsに、SCFはfloor plateにそれぞれ発現している。
SCFあるいはKitのKOではcommissural axonsがfloor plateから外へ伸びてこない。
これらのことから、floor plateにcommissural axonsが達したあと、それを超えてさらに伸張するのにSCF-Kit系が必要だと考えられる。
というわけで、commissural axonsのguidanceはnetrin-DCC -> SCF-Kit -> Slit-Robo -> Wnt-Frizzled (anterior) あるいはWnt-Ryk (posterior) ということになるのかなあ。
J Neurosci, 28:2287-2297 (2008)
Release of MICAL Autoinhibition by Semaphorin-Plexin Signaling Promotes Interaction with Collapsin Response Mediator Protein
Eric F. Schmidt, Sang-Ohk Shim, and Stephen M. Strittmatter
うーむ、モデル図がないと、頭に入らない。
一つintroductionで勉強になったのは、緑茶の成分の一つ、(–)epigallocatechin gallate (EGCG) はMICALを含むflavin monooxygenasesの阻害剤なのだが、これがclass 3 semaphorinのsignalingを阻害すること。
この元になる論文を真面目によんでなかったからなあ。
Hum Mol Genet 17:1063-1075 (2008)
Neuronal SMN expression corrects spinal muscular atrophy in severe SMA mice while muscle-specific SMN expression has no phenotypic effect
Tatiana O. Gavrilina1,2,, Vicki L. McGovern1,, Eileen Workman1, Thomas O. Crawford4,5, Rocky G. Gogliotti6, Christine J. DiDonato6, Umrao R. Monani7, Glenn E. Morris8,9 and Arthur H.M. Burghes1,2,3,*
脊髄性筋萎縮症 (Spinal muscular atrophy, SMA) の原因はSurvival Motor Neuron (SMN1) 遺伝子の欠損のために起こる。
この遺伝子は脊髄神経細胞だけでなく、筋肉や、その他ほとんどの細胞で発現していることから、筋肉の萎縮が、脊髄神経細胞の機能異常のためか、筋肉側の原因で生じるのか、明確な証拠がなかった。
この論文では、SMN1遺伝子が神経特異的 (prion promoter (PrP)) あるいは筋肉特異的 (human skeletal actin (HSA)) promoter下で発現するようなtransgenic miceをSMAモデルマウスのbackgraoundで作製し、生存の回復や筋肉、神経細胞の状態を観察した。
その結果、神経特異的promoterのものだけが、SMAの病態をrescueできた。
しかし、二つのpromoterの能力を正確に比較することが困難であるため、単に発現量の違いでrescueできた可能性がある。
この可能性を排除するために、筋肉特異的promoterのtransgenic miceのなかで、少しだけ神経にもleakyな発現をするline(筋肉での発現は同程度)を用いて観察したところ、SMAの病態をrescueできることがわかった。
このことから、神経細胞におけるSMN1の欠損がSMAの病態により重要である可能性が高まった。